心理学

【社会心理学】集団心理とは?社会を生きるために必要な社会心理学を解説!

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【社会心理学】集団心理とは?社会を生きるために必要な社会心理学を解説!

「集団心理」という言葉はお聞きしたことありますか。

人間の行動は必ずしも自身の内的要因だけが関わっているのではなく、その行動を行った際にその人をどのような環境が取り巻いていたのかという外的要因も考慮しなければ十分な理解をすることは難しいと言われています。

集団心理とは、群衆状況で外的要因がどれだけその人の行動に関係するのかを、社会心理学を通して心理カウンセラーの私が丁寧に解説していきたいと思います。

社会心理学に重要な功績を残した『レヴィンの公式』

社会心理学に多大な功績を残したレヴィンは、

行動は人と環境との関数である

と主張し、それを公式で表しました。

これは先ほど記したように、行動においてその人の内的要因に加え、環境や物理的な外的要因も考えなければいけないということです。

社会的環境>物理的環境

人を取り巻く環境というのは社会的環境と物理的環境の2つに分かれていますが、より重要なのは社会的環境です。

社会的動物である人間にとっては他者の存在は行動だけでなく、思考や感情にも影響を与えます。

人間が、他者が存在する環境から受ける影響は社会的影響と呼ばれていて、元々社会心理学の研究はここに焦点を当てていました。

社会的環境によって起きる変化

社会的環境によって起きる変化を考えてみましょう。

社会的促進

社会的促進というのは、他者が存在することで個人の遂行業績が向上するというような現象のことを言っています。

例を挙げると、マラソンのタイムを測った際に1人で走った時よりも複数人で競い合いながらタイムを測った方が記録がよくなるというようなことです。

面白いことに、似たような現象が人間以外の動物でもみられています。

集団の中にいる働きアリは、単独の時に比べて巣作りのために3倍以上の砂を掘ると言われています。

このようなものは、他人との競争意識が芽生えてくることによって、現象が起きるのです。

社会的抑制

社会的抑制というのは、社会的促進とは反対の意味で、他者の存在が個人の行動をむしろ行く制してしまう場合があるということです。

こちらも例を挙げると、慣れていない作業や難しい課題を遂行する場合、1人の時よりも複数人いる時の方が抑制されやすいとされています。

また、そんなことない、と思う方もいるかもしれませんが、この結論は1983年頃に行われてメタ分析(複数の研究の結果を統計的に統合したもの)によっても支持されています。

社会的手抜き

上の2つで焦点となるのは個々人の課題遂行だが、集団全体で何かを成し遂げる場合には、社会的手抜きと呼ばれる現象が生じます。

例えば、1人で大声を出したり、拍手をするときよりも集団で大声を出したり、拍手するときに1人あたりの生み出す音の大きさは小さくなります。

合唱コンクールとかで口パクで歌っていても気づかないということがあるように、自分の責任というのが小さくなってしまうため、起きると思われます。

さぼりに似たような感じですね。

社会的補償

課題の遂行がその人に対して重要な課題であった場合、また一緒に課題を遂行する相手が信頼できなかったりする場合があります。

そういった場合は、普段よりも努力量が増えることがあります。

これを社会的補償と言います。

多数派と少数派の影響の違い

さて、ここまで社会的な影響について書いてきましたが、社会的影響はいつでも同じとは限りません。

多数派の影響

多数派の影響はとても分かりやすい実験があります。

10人いる中のうち1人に実験を行い、残り9人はサクラを演じてもらいます。

内容は1人で考えたら簡単にわかってしまうような3択の問題なのですが、9人のサクラの人たちにはわざと間違えてもらいます。

すると、1人では大体正解していた人たちの中で75%もの人が誤答してしまうという結果になったのです。

これはなぜ起きるのでしょうか。それには2つの影響があるからです。

情報的影響

情報的影響とは、正しい行動をするときの手がかりとして他者の行動を参照にするというもので、多くの人がとっている行動は正しいに違いない!という信念に基づいて受ける影響です。

規範的影響

規範的影響とは、他者の行動を暗黙の規範として見なすことで生じるものです。

他社からは拒絶されたくないという動機づけから基づいていると言われています。

例えば、会社は17時で就業にも関わらず残業することが暗黙の了解となっていれば、1人だけ先に帰ることは難しいと思います。

少数派の影響

少数派であっても、一貫して説得力のある異論を唱え続ける他者がいると、その言動が影響を与えることがわかっています。

また、少数派が何か特別な存在である場合、たった1人であったとしても強い影響力を持つことができます。

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まとめ

それでは最後にここまで解説してきたことをおさらいしましょう。

  • 行動は人と環境との関数である
  • 社会的環境と物理的環境の2つに分かれているが、より重要なのは社会的環境
  • 社会的環境によって起きる変化には「社会的促進」「社会的抑制」「社会的手抜き」「社会的補償」がある。
  • 多数派と少数派によって影響の仕方が違う。

 

社会というのは人間の行動に大きく変化をもたらすものです。

自分がどの社会に属し、どんな行動をとって生きていきたいか、しっかり考えて行動するようにしましょう。

ABOUT ME
小椋 仁
コラムニストとして新聞掲載を目指している物書き・ライター。 現在はスーパーカブで日本一周しながら、あらゆるところで感じたことをコラムとしてインスタに投稿中。 ここでは心理カウンセラーの資格を活かし、心理学の追求、またそのほかの雑学や旅物語を綴っています。
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