胸キュン必須!心が暖かくなる恋愛小説5選!
崩れる脳を抱きしめて 知念実希人
知念実希人氏の書く作品は恋愛小説が多く、「仮面病棟」や「屋上のテロリスト」といったたくさんのオススメ作品があります。その中でもオススメがこの作品です。
面白いと思った理由が、病院の研修医と脳腫瘍を患うユカリとのストーリーなのですが、なんと冒頭のたった2ページでユカリが死んだことが書かれているのです。
この時点でバットエンドを予想しながら私自身も読み進めていたのですが、最後の最後に思わぬどんでん返しが……
これ以上はネタバレになってしまう可能性があるのであまり言いませんが、決して悲しい気持ちで終わることはない、とだけ伝えておきます。
バッドエンドが嫌いな人でも是非、軽く推理でもしながら最後まで読み進めていっていただきたい一冊となっています。
・ページ数 367ページ
・出版社 実業之日本社文庫
・第1刷発行 2020年10月8日
君の膵臓をたべたい 住野よる
この作品は映画を観た方や映画で知った方が多いはずです。
2017年に月川翔監督によって映画化された名作ですが、実際私自身も映画を観てから原作を知り、後日小説を購入しました。
主人公の僕、がたまたま病院で見てしまった同級生の山内咲良が書いていた「共病文庫」と書かれた一冊の本。
そこから物語は急展開していき、僕と咲良は二人で出かけたり、旅行に行ったりし、咲良のやりたいことをひとつずつ叶えていき、徐々に距離も近くなっていきますが、ある日咲良が約束の時間になっても集合場所に現れず、待っていた僕が諦めて帰ろうとした時にビルに映る大きなモニターを見て••••••
映画でもとても感動しましたが、小説ではもっと感動しました。
住野よる氏の緻密で繊細な言い回しや、原作にしか描かれていない場面があったりなどして映画でほとんど内容を知っていてもスラスラ読み進めることができる小説です。
・ページ数 281ページ
・出版社 双葉文庫
・第1刷発行 2015年6月16日
この世界にiをこめて 佐野徹夜
生きづらさを抱える染井浩平にある日届いた一通のメールによって物語が始まります。
「現実に期待なんかしてるから駄目なんだよ。」
しかし、このメールの送り主は半年前に死んだはずの吉野紫苑。
僕の唯一の女友達で天才小説家である彼女から送られてきたありえないはずのメールのやりとりから僕の失われた時間を取り戻していくというストーリー。
ファンタジー要素ばかりなのかと思いきや純粋な恋愛小説としての物語に読み手は吸い込まれていくと思います。
この本の最初に書かれているのですが、
小説を愛してる、すべての人に
という言葉があるのですが小説が好きな人はもちろん、小説をあまり読んだことがない人や読むのが苦手だけど何か読んでみたい、と思う人にも読んで欲しい作品となってます。
・ページ数 299ページ
・出版社 メディアワークス文庫
・第1刷発行 2017年10月25日
GO 金城一紀
在日韓国人が日本の女の子に恋をする話です。
男の子が女の子を好きになる、という純粋なストーリーですが、在日韓国人というだけでそのストーリーがいくつも複雑になっていきます。
今日では各国で大きく問題にもなっている人種差別問題。
生まれた国が違う、たったそれだけでなかなか思い通りにいかない恋愛を読み進めていくととてももどかしい気持ちになります。
多くの人は差別は良くない、と言いますが無意識に差別していたり周りの空気に合わせて見て見ぬふりをしている人が大半だということに気付かされると共に昔の自分の行動や発言を見つめ直すきっかけとなりました。
世間にそういった問題を提起しつつも恋愛小説という読みやすいジャンルで描くことにより、若者からお年寄りまで全ての年代の人たちに届けようという作者の願いが込められた一冊で、非常におすすめの作品となっています。
・ページ数 238ページ
・出版社 角川文庫
・第1刷発行 2000年3月30日
記憶喪失の君と、君だけを忘れてしまった僕 小鳥居ほたる
最後にお勧めする作品はこちらです。
夢も目標も見失いかけていた冴えない大学生の小鳥遊公生(たかなし こうせい)の前に名前以外の記憶を全て失った華怜(かれん)が現れて、次第に二人は惹かれあっていくのだが……
ラストには全ての秘密が明かされて号泣必須となっている一冊です。
今まで紹介した中で一番王道で、これぞ恋愛小説といった作品ですが、この本を読んで、人と人との出会いは偶然ではなく必然なんだなということに気付かされました。
王道な感じなのですが、王道だからこその面白さ、小鳥居ほたる氏による独特な言い回しや展開によって繰り広げられるラブストーリーは必見です。
・ページ数 413ページ
・出版社 スターツ出版文庫
・第1刷発行 2018年6月28日